アンモニア臭の口臭がする場合は肝硬変になっている可能性があります。
肝硬変とは肝臓の肝細胞が死滅・減少し、肝臓が硬く変化して働きも著しく低下した状態の病気です。
肝臓は体にとって有毒物質であるアンモニアを体に害のない尿素に分解する働きがあります。
そんな大切な働きがある肝臓が肝硬変で正常に機能しなくなると体の中にアンモニアが残ってしまい口臭の原因になってしまいます。
また肝硬変を放置して症状が進行してしまうと、さらに重篤な肝臓ガンなどの怖い病気を併発させてしまうこともあります。
当ページでは肝硬変が原因の口臭について紹介しています。
「自分の口臭がアンモニア臭いかも?」と感じている人はぜひチェックして見て下さい。
また肝硬変になっていなくても肝臓の調子が悪いと口臭の原因になってしまいます。
もし口臭がアンモニア臭い場合は口臭をシグナルとして病院で1度検査してもらうようにしましょう。
肝硬変ってどんな病気?
肝硬変は字の通り肝臓が硬く小さく変わってしまい、肝臓本来の働きができなくなる病気です。
なぜ肝臓が硬く小さくなるのかというと、肝臓は本来、再生能力が高い臓器なのですが、日々の生活習慣や食生活などによって何度も何度もダメージを受けていると再生能力に限界がきてしまうからなんです。
肝硬変になった肝臓は硬く小さくなるだけでなく、ボコボコした形にもなるので、見ただけで肝硬変ということがわかるそうなんです。
肝硬変になる原因とは?
肝硬変は以下のような原因で肝臓に炎症が起きて、それが慢性化することで罹ってしまいます。
肝臓が炎症を起こす要因として
- ウィルス性肝炎
- アルコール性肝炎
- 薬剤性肝炎
- 自己免疫性肝炎
などがあります。
日本での肝硬変患者の約80%がウィルス性肝炎から発展するケースで、B型肝炎ウィルスやC型肝炎ウィルスが多いようです。
B型肝炎やC型肝炎は血液によって感染する病気です。最近では性交渉などにより感染して若者の患者も増えている病気です。
次に多いのがお酒の飲み過ぎによるアルコール性肝炎で、これは全体の約10%程度の割合です。
お酒が好きで毎日たくさんの量を飲む人は気をつけなければなりません。お酒はダメということではなく、飲み過ぎに注意して適量にすることが大切です。
肝硬変の症状
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれていて、何か不具合があってもある程度までは自覚症状がなく病状が進行していきます。
自覚症状が出てきた時はかなり病気が進行してしまっているということもあるので気をつけなければなりません。
そんな肝臓の病気の中でも肝硬変はもっとも症状が進行してしまった病気と言ってもよいでしょう。
肝硬変の症状としては、以下のようなものがあります。
- 食欲がなくなる
- 倦怠感、疲労感
- 顔の色が黒くなる
- お腹の張り
- 下痢
- 肝臓の辺りの痛み
また肝硬変が進行して末期の症状になると
- 黄疸
- むくみ
- 腹水
- 肝性脳症
このように明らかに肝硬変だとわかる症状が出てきます。
ここまでの状態になってしまうとすぐに入院して治療しなければなりませんし、助かる可能性もかなり低くなってしまいます。また肝硬変は進行するとさらに怖い肝臓ガンを併発するということもよくあるので、とっても厄介な病気なんです。
肝硬変が引き起こす口臭とは?
肝臓は体に有害な成分を分解して無毒化する働きがあります。ところが肝硬変になると肝臓は本来の働きができなくなるのでその解毒の働きがもきなくなります。そうなると体の中に有害物質が溜まってしまうことになります。
その有毒物質の中の1つにアンモニアがあります。アンモニアは腸内で食べた物のタンパク質から作り出されて肝臓へ運びこまれます。
健康な肝臓の場合はアンモニアを分解して人体に害のない尿素に変えて次の腎臓へ運ばれていきますが、肝硬変になるとアンモニアが分解されずに体内に残ってしまいます。
そしてこのアンモニアはやがて血液の中に取り込まれて体中を巡っていきます。そして肺にまで運ばれてくる気化されて呼吸としてアンモニア臭が口から漏れ出てしまいます。
これが肝硬変による口臭発生のメカニズムです。
肝硬変による口臭を治す方法
肝硬変による口臭を治すには肝臓の機能を回復させて体内にアンモニアが残らないようにすることです。
ただ肝硬変は体にとって大変重篤な病気なので、口臭よりもまずは体の事を考えて治療するようにして下さい。
肝硬変の治療方法について
肝硬変を初期の段階で発見できた場合は肝機能を回復させていく為の治療が行われます。生活や食事を改善することと薬を使った治療になります。
- 過労を避ける
- 重労働をしない
- お酒を飲まない
- 高カロリーな食事
- 消化の良い食事
など肝臓に負担をかけない生活に改善することで肝機能の回復をはかっていきます。肝臓は回復能力の高い臓器なのでこのような方法が有効なんです。
ただし末期の肝硬変になると上記のような治療法では改善できないので、入院して治療を行っていくことになります。肝臓ガンなどの合併症を引き起こす可能性も高いので、最悪の場合死に至ることもあります。
肝硬変と口臭のまとめ
- 肝硬変の初期は自覚症状がほとんど無い
- 自覚症状が出てきたときはかなり症状が進行してしまっている
- 肝硬変による口臭は体に有害なアンモニアが原因
- 肝硬変による口臭を治すには病気を治すしかない
- 肝硬変は末期になると肝臓ガンなども併発して死に至る可能性がある
肝硬変は早期に発見することがとても重要です。ただ自覚症状がないので発見が難しいということもあります。
だから毎年健康診断をしっかりと受診して、肝臓の数値などが少しでも異変があった場合は早めに一度大きな病院で診察してもらうようにしましょう。
元気な肝臓を維持して健康で口臭のない体を手に入れましょう。