歯茎は早い人なら20代前半くらいから痩せ細ってきたり、下がってきたりします。これは歯肉退縮と言いって口臭や老けてみられる原因になります。この歯茎下がりは正しいケアを行うことで症状の進行を遅らせたり、止めることができるんです。
実際あるアンケートでは歯茎が下がっている人と下がってない(健康な歯茎)の人では約10歳も違ってみられたそうです。
また歯茎が下がってくると、歯と歯茎の間の隙間が大きくなるので、食べかすや歯垢もたまりやすくなり、口臭の原因にもなります。
このページでは歯茎下がりの原因や進行を遅らせて口臭も予防する方法などについて詳しく紹介しています。「最近歯茎が下がってきたかな?」と感じている人はぜひチェックしてみて下さい。
どうして歯茎が下がってくるの?
歯茎が下がってくる原因には大きく4つあります。
- 1.年齢によるもの
- 2.歯周病
- 3.歯の磨き方
- 4.歯の噛み合わせ
1.年齢によるもの(加齢)
歯茎は10年で2ミリ下がると言われています。だから20歳と30歳では2ミリも歯茎に違いがあるんです。2ミリと言われてもあまりピンとこないかもしれませんが、歯茎に定規をあててみると結構大きな違いだということがわかると思います。
2.歯周病
歯周病は歯周病菌が歯の周辺組織を破壊していく病気です。進行すると歯槽膿漏などになり最終的には歯が抜け落ちる怖い病気です。
そんな歯周病の初期症状として歯茎に炎症を起こすなどの症状がり、それと共に歯茎下がりも進行させてしまいます。
3.歯の磨き方
歯ブラシで歯をゴシゴシ力を入れて磨いていると歯茎下がりを進行させてしまいます。普通少なくても1日2回、多い人で3~4回くらい歯磨きをすると思います。それが間違った方法で毎日行われていれば徐々に歯茎が擦れて削られていってしまいます。
歯に付着した歯垢や食べかすはそんなに力を入れなくても歯ブラシで掃除することができます。
4.歯の噛み合わせ
歯の噛み合わせが悪くて1部分だけが強く噛んでいる状態だとそこだけ歯茎が下がってくる場合があります。また歯ぎしりで強い力でギリギリやっていると歯茎も下がってきてしまいます。
歯茎下がりの進行を抑える方法とは?
一度下がってしまった歯茎が自然に治ってくるということはほとんどありません。だからまだそれほど歯茎下がりが進行していない人はこれ以上歯茎が下がるのを抑えることが大切なポイントになります。
正しい歯磨き方法を行いましょう
まず大切なのが歯磨き方法です。むだに力を入れてゴシゴシ歯磨きをしている人は今すぐ改善しましょう。優しく歯茎をマッサージするように歯磨きをすることが歯茎にとって良い磨き方です。このような磨き方でも歯垢や食べかすを掃除することができますので安心して下さい。また歯ブラシの毛は「かため」よりも「やわらかい」方が歯茎には良いです。
どうしても歯ブラシを持つ手に力が入ってしまう人は電動歯ブラシをおすすめします。電動歯ブラシは歯に当てて磨いていくので力を入れずに磨くことができます。さらに手で磨くよりも掃除力が高いので、値段は少し高いですがおすすめです。
さらに歯磨き粉についてですが、最近では歯茎下がり用の商品が発売されていたり、他にも歯周病予防に効果のある歯磨き粉が売られています。これらの歯磨き粉は少し値段は高いのですが、歯茎に良い成分が含まれているので歯茎下がりには効果的です。
ドラッグストアなどで特売で100円~200円で売られている歯磨き粉と比べると、歯茎がキュッっと引き締まって爽快感を高く感じることができます。また口臭予防にも効果のある歯磨き粉も多いので口臭対策にも効果的です。
歯茎下がりや口臭に効果的な歯磨き粉については「口臭予防におすすめの歯磨き粉ランキング!」で詳しく紹介していますので参照してみて下さい。
歯周病を治療しましょう
歯周病は日本人の成人の約80%がかかっていると言われています。初期の段階では自覚症状もあまりないので放置している人がほとんどなんです。歯磨きの時によく血がでる人や歯茎が頻繁に腫れる人は早めに歯科でみてもらうようにしましょう。
歯周病が進行したらものすごくクサい口臭が発生したり、歯を支えている骨が溶けて歯が抜けたりしてしまうので要注意です。
以上のような対策を日頃から行うことで、歯茎下がりの進行を抑えることができます。
歯周病と口臭については「歯周病が原因の強烈な口臭を治す3つの方法」で詳しく紹介していますので参照してみて下さい。
歯茎下がりはどうやって治療するの?
もし歯茎下がりがかなり進行してしまった場合はどうすれば良いのでしょうか?
1.骨まで歯茎が下がってない場合
歯茎下がりの状態が比較的進行しておらず、歯を支える骨までいってない場合は他の歯茎を下がった部分に移植して元に戻すという治療方法が行われることが多いんです。歯茎の下がった部分に他の歯茎を張り付けることで、3ヶ月くらいするとしっかりとした歯茎になります。
これは遊離歯肉移植術と呼ばれる方法です。治療時間や費用は1本につき1時間くらいかかって、10,000円位が相場のようです。治療する際は腫れや痛みが少しあります。
2.歯茎下がりが進行して骨まで下がっている場合
歯茎下がりが進行すると歯を支えている骨まで歯茎がきてしまいます。そうなるとやがて歯を支えきれなくなり歯が抜けてしまいます。そんな場合は歯周組織再生誘導法と呼ばれる治療が行われます。
歯茎が下がってしまい剥き出しになった骨の上にメンブレンという人工の膜を被せます。そしてその状態で数ヶ月方っておきます。すると徐々に骨と歯茎が再生されてきます。歯茎と骨の状態が元に戻るとメンブレンを取り除きます。
こちらの治療法は歯1本につき1時間くらいかかり、費用は15,000円位です。
その他にも人工の骨や自分の口の中の骨を移植する方法や、エムドゲインと言う骨を再生させる効果のある薬を使用する方法などもあります。
歯茎下がりの治療は慎重に!
歯茎の再生治療を行っている歯科は全国にたくさんありますが、歯医者さんの技術力はかなり差があります。虫歯の治療よりもかなり高等な技術が必要なんです。だからできるだけ治療実績がたくさんあって信頼できる歯医者さんにお願いするようにしましょう。
また再生治療は基本的には保険適用外になりますので、治療費が高額になる可能性が高いんです。ただその人の歯茎の状態によって治療法などが異なってきますので、できれば複数の歯科で診てもらい検討するようにした方が良いかもしれません。
間違っても「安いから」という理由だけで歯茎下がりの治療をする歯科を選ばないようにして下さいね。